CES2026視察記を紹介していく。
初日は、LVCC Campus West Hall/North Hallを視察した。視察したブースを紹介し、最後に初日の所感を紹介する。
CES初日は、毎年ではあるが10時にオープンとなる。遅い時間となるために、多くの人が入り口で待っていた。

では早速各ブースを紹介していく。
RoboSense (ロボセンス)
West Hallで存在感を放っていたのが、自動運転の「目」となるLiDAR(ライダー)を開発するこれらセンサー企業です。RoboSenseは、AIとハードウェアを統合し、より複雑な環境下でも物体を正確に認識するソリューションを提案。

TAIYO YUDEN (太陽誘電)
太陽誘電のブースでは、電動アシスト自転車に革新をもたらす「回生システム」が注目を集めていました。走行中のエネルギーを効率よく回収してバッテリーに蓄えることで、フルチャージなら最大1,000kmもの長距離走行を可能にするという驚異的な提案です。すでに自転車メーカー3社との連携が進んでおり、通勤やデリバリー業務において「充電の頻度を劇的に減らす」という実利的な価値を提示。エネルギー効率の最適化をAIが担う、次世代の持続可能なモビリティを象徴する展示となっていました。

AEVA
フロントガラス一体型の「4D LiDAR」を展示していました。これらは単なるセンサーではなく、周囲の状況をAIでリアルタイム解析し、トラックや工場内ロボットの安全性を高める「Physical AI」の基盤技術として、多くの車両・設備メーカーへの採用を働きかけていました。


SENSING CORE (センシングコア / 住友ゴム)
ダンロップやファルケンブランドを展開する住友ゴムは、タイヤそのものをセンサー化するソフトウェア「センシングコア」を前面に押し出していました。タイヤの回転数や微細な振動から、空気圧の低下や路面の摩耗状態をAIが判断。特筆すべきは、物理的なセンサーを追加せず、既存の車輪速度信号をクラウド上のAIで解析する点です。今回のCESでは、この技術を自動運転車や物流インフラの安全性を支える「データの知能化」として提案し、多くの注目を集めていました。

AGC
海外売上比率が約7割を占めるグローバル企業であるAGCは、技術力の結晶とも言える「薄型ガラス」でCES 2026のイノベーションアワードを獲得しました。展示の目玉は、独自の「PFガラスコーティング」技術。偏光サングラスを着用していても視認性が損なわれず、ヘッドアップディスプレイ(HUD)やスマートグラスとしての利用が想定されています。車内空間がAIエージェントとの対話の場に変わる中、情報を映し出す「窓」そのものを進化させるという、日本企業らしい精密なアプローチが光っていました。



ANRITSU (アンリツ)
アンリツのブースでは、EV開発の効率を劇的に高める「Power HIL (Hardware-in-the-Loop) system」が披露されました。これは、実際のEVのバッテリーやパワートレインをシミュレーション環境でテストするための高度な試験システムです。今回はオーストリアのAVL社などとも連携し、開発中のEVが実際の道路を走ることなく、ラボ内で過酷な走行条件を再現できることをアピール。世界的なEVシフトの中で、開発期間の短縮と品質担保を同時に叶える「AI時代の開発インフラ」としての提案がなされていました。

KOITO (小糸製作所)
照明の老舗・小糸製作所は、AIによる配光制御をさらに極めた次世代ヘッドライトを展示。従来は12個程度だったマイクロLEDを16,000個にまで高精細化し、対向車や歩行者、バイクだけを瞬時に識別して「そこだけを眩しくないように遮光する」デモが印象的でした。これは夜間の交通事故防止に直結する技術であり、照明を単なる「明かり」から、周囲の環境とコミュニケーションを取り、安全を自律的に作り出す「インテリジェント・ライティング」へと昇華させています。


Hyundai WIA
次世代モビリティの車内環境を劇的に進化させる「AIRコントロール(AIR Control)」技術を提案しました。この技術は、AIを活用して車内の空調や空気質を自律的に最適化するシステムです。従来の空調ユニットに比べて大幅な小型・軽量化を実現しているのが特徴で、これにより車内スペースの拡大や電気自動車(EV)の航続距離向上に貢献します。AIが乗員の状況を先回りして判断し、常に最適な快適性を提供。単なる「温度調整」を超え、車内を質の高い居住空間へと変貌させる、2026年のトレンドである「ハードとAIの融合」を象徴するインテリジェントな環境制御ソリューションを提示していました。

京セラ
京セラのブースでは、製造現場やモビリティ社会の安全を支える「先進センサー技術」が主役でした。特に、独自のアルゴリズムを用いた「検査工程向けセンサー」や、ミリ波レーダーを活用した高精度な空間認識ソリューションを展示。カメラだけでは捉えきれない微細な変化や、プライバシーに配慮が必要な場所(介護現場など)での見守りをAIで自動化する提案です。地味ながらも、Physical AIが現実社会で正しく、かつ安全に機能するために不可欠な「高精度な五感」を日本企業の技術力で提供する姿勢が示されていました。

KUBOTA (クボタ)
クボタは、無人トラクターのプロトタイプを展示し、農業の未来像を力強く提示しました。すでに小型機は商品化が進んでいますが、今回のプロトタイプはAIが作物の生育状況や周囲の障害物をより正確に判断して自律走行する「スマート農業」の進化系です。人手不足が深刻な世界の農場において、24時間稼働が可能な「働くPhysical AI」としてのトラクターは、日本発の課題解決型テクノロジーとして、米国のメディアからも高い関心が寄せられていました。


BRUNSWICK (ブランズウィック)
世界最大級のボート製造メーカーであるブランズウィックは、海上における自動操縦技術を披露。カメラとセンサーで周囲の波、他船、障害物をリアルタイムに収集し、AIが船体を精密に制御します。車に比べて不確定要素が多い海上でのナビゲーションをAIが担うことで、操縦の難しさを解消し、レジャーとしてのボートのハードルを下げる提案です。まさに、陸(モビリティ)でのAI進化が「水上」にも波及していることを象徴する展示でした。


YAZAKI Innovation (矢崎イノベーション)
矢崎総業の社内スタートアップである同社は、長年培った車載ワイヤーハーネスなどの技術を「住宅」や「物流」へと横展開するユニークな提案を行っていました。車の技術を転用した自動棚卸システムや、住空間の電力を最適化する技術など、これまでのマーケットに縛られない新領域への進出意欲を鮮明にしています。既存の確かな技術にAIという新しい知恵を加え、既存事業の枠を超えて新たな市場を切り拓こうとする、老舗企業の革新的な姿勢が見て取れました。


WAYMO (ウェイモ)
自動運転タクシーの先駆者であるWaymoは、将来的な「自社車両」の製造を見据えた新たなステージを提示していました。現在はジャガーなどの市販車を改造しているため高価ですが、コストを抑えて普及を加速させるため、中国企業と提携して自動運転専用の車両を開発する計画も進行中です、と説明を受けました。展示では、Uberアプリを通じて東京やロンドンでも実証試験を進めるなど、グローバル展開を加速させる「AI配車サービス」の覇者としての貫禄を示していました。


Qualcomm (クアルコム)
今回のクアルコムは、PCと自動車の両面で「AIの実行力」を強烈にアピールしていました。自動車向けでは「Snapdragon Cockpit Elite」を披露し、車内の複数の大型ディスプレイやオーディオを、クラウドを介さず車内のAIだけで制御するデモを公開。単なる半導体メーカーではなく、車全体をソフトウェアで制御する「SDV(ソフトウェア・デファインド・ビークル)」の頭脳としての地位を確立しています。PC向けでも「Snapdragon X2 Elite」を搭載した次世代AI PCが各社から発表され、2026年が「AIがサクサク動くハードウェア」の普及期であることを印象づけました。


MURATA (村田製作所)
村田製作所は、大阪・関西万博でも注目を集めた「WonderStone(ワンダーストーン)」をCESの舞台にも持ち込みました。これは、石のような外観でありながら、触れると光り、周囲の音や振動に反応する未来のインターフェースです。すべての家電にAIが宿る時代、私たちはボタンを押すのではなく、こうした自然な触れ合いを通じてAIと対話するようになるかもしれません。「機能」としてのAIを、いかに「情緒」や「美しさ」へと昇華させるかという、村田製作所ならではの感性が光る展示でした。


AMAZON
Amazonブースでは、単なるスマートスピーカーを超え、AIが生活や移動の「インフラ」として機能する姿が強調されていました。特に注目を集めたのが、富士通やNVIDIAといった強力なパートナーとの連携です。低軌道衛星「Amazon LEO(Project Kuiper)」による次世代の高速通信網や、車載AI「Amazon Auto」を介したシームレスな移動体験など、地球規模の通信から日常の買い物、車内空間までをAIエージェントで繋ぎ合わせる「Amazonエコシステム」の圧倒的な広がりを提示していました。

アルプスアルパイン
「人の感性に寄り添う」をテーマに、車載から民生まで幅広い領域で、AI時代の新たなUI(ユーザーインターフェース)を提案していました。展示の目玉は、手を触れずに操作可能な「非接触パネル」です。これは衛生面だけでなく、AIエージェントとの直感的な対話をサポートする次世代の操作系として注目されました。また、視覚障がい者の移動を支援する「認知拡張デバイス(帽子装着型センサー)」など、AIとセンサー技術を駆使して「人の身体能力を補完・拡張する」という、ウェルビーイングに資するPhysical AIの形を示していました。


パイオニア
パイオニアは、車内を「AIとエンターテインメントが融合する究極の空間」へと変える5つのコンセプトを打ち出しました。世界初となる車載用「ドルビーアトモス」対応システムや、重低音を響かせる新開発のスピーカーなど、圧倒的な音響技術を基盤に据えています。さらに、360度カメラによるセキュリティ機能や二輪車向けの安全ソリューション、これらを統合制御する「統合コクピット」など、AIがドライバーの安全を見守りつつ、最高級の没入体験を提供する「移動の付加価値」を提案していました。


HERE
位置情報の世界的リーダーであるHEREは、最新の「AI搭載マップインテリジェンス」を公開しました。これは、車載センサーが捉えきれない「死角の先」にある道路状況や車線のトポロジーを、クラウド上のAI地図データと連携して予測する技術です。これにより、高速道路での車線変更や分岐をよりスムーズかつ安全に行う「レベル2+」の自動運転を支援します。世界60カ国以上をカバーする同社の地図データが、自動運転AIにとっての「正確な外部記憶」として不可欠であることを改めて証明する展示となりました。


KDDI
KDDIは、物流・倉庫大手のLOGISTEED(ロジスティード)と提携し、深刻な人手不足に悩む物流現場を救う「倉庫ロボットソリューション」を披露しました。5G通信とAIを活用し、多数のロボットをリアルタイムで最適に制御することで、倉庫内のピッキングや搬送作業を完全自動化する姿を提示。これは単なるロボットの展示ではなく、通信キャリアとしての強みを活かし、Physical AIが現場で確実に「働く」ための高度なネットワークインフラと運用プラットフォームをワンストップで提供する、日本発のビジネスモデルとしての提案でした。

LUCID (ルシード)
新興EVメーカーのLUCIDは、走行距離450マイル(約720km)を超える圧倒的なバッテリー性能を持つEVを展示。前後にトランクを持つ革新的なパッケージングに加え、マッサージ機能を備えた豪華な運転席など、ハードウェアとしての質の高さを追求しています。今回のCESでは、これに高度なAIソフトウェアを統合し、長距離移動のストレスを極限まで減らすプレミアムな移動体験を提示。既存の自動車メーカーに対し、ハードとソフトの両面で「次世代EVの基準」を問いかけるような展示となっていました。


KAGA FEI(加賀FEI)
メディアテックの最新SoCを搭載した「セキュリティロボット」を展示し、AIによる高度な監視・警備の自動化を提案。

Zeroth / NAVEE / セグウェイ
教育用ロボットから、AIによる自律走行やバランス制御を備えた次世代スクーターまで。生活の「ラストワンマイル」や「学習」の場にAIが入り込み、日常をより楽しく、安全にするPhysical AIの具体例が数多く見られました。







ENEOS (エネオス)
ENEOSは、爆発的に普及するAIの影の主役である「サーバー冷却」をテーマに掲げました。生成AIの処理に不可欠なGPU(NVIDIA製など)は莫大な熱を発しますが、同社はサーバーを液体に浸して冷やす「液浸冷却液」や、その消費電力を抑える技術(GRCとの連携)を展示。2026年後半にはNVIDIAとの連携も強化する予定で、エネルギー企業としての知見を活かし、AI社会の持続可能性を支える「インフラの守護神」としての新たな立ち位置を鮮明にしていました。


RobotEra
今回のCESで注目を集めた「Physical AI」の象徴的な一社です。人間のように滑らかに動くヒューマノイドロボットを展示し、複雑な地形での歩行や、手先の器用さを必要とする作業のデモを行いました。特筆すべきは、単なるロボットの展示ではなく、AIが現実世界の物理的な制約を学習し、未知の環境でも自律的にタスクを遂行する「汎用的な作業能力」を提案していた点です。人手不足が深刻な製造業や介護現場における、次世代の「働くAI」としての可能性を強く印象づけました。


Ping-Pong
中国発のロボティクス企業である同社は、AIを活用した「卓球トレーニングロボット」を披露しました。単に球を打ち返すだけでなく、AIが相手のフォームを解析し、弱点を突くような配球やスピンを自在に操ります。これは単なる娯楽用ではなく、スポーツのコーチングや個人のスキル向上をAIが最適化する「パーソナライズされたトレーニング」の提案です。AIが身体性を伴って人間と対話・対戦する、Physical AIの身近な応用例として人気を集めていました。

富士通
富士通は今回、AIが現実世界を正しく認識するための「脳」となる技術を提示していました。メインの展示は、周囲の状況を3次元でリアルタイムに把握する「空間World Model」です。ブースでは、複数のロボットが協調して人間を見守り、立ち入り禁止エリアに近づくとロボットが自律的に進路を塞いでブロックする、というライブデモが行われていました。面白いのは、富士通自身がロボットを作っているのではなく、「既製品のロボットを賢く動かすためのAIモデル」を提供している点です。まさに「Physical AI」の実装を支えるソフトウェアの覇者としての存在感を示していました。


3M (スリーエム)
化学・素材の巨人である3Mは、AIを支える「インフラ」と「サステナビリティ」をテーマに掲げました。電気自動車(EV)のバッテリーの安全性を高める熱管理素材や、データセンターの冷却効率を劇的に向上させるフッ素系液体などを展示。AIの普及に伴い増大する電力消費や熱問題を、素材の力で解決する提案です。地味ながらも、AI社会を根底から支える「縁の下の持ち主」として、その不可欠な技術力をグローバルにアピールしていました。


SIEMENS (シーメンス)
シーメンスは「Industrial Metaverse(産業用メタバース)」をさらに進化させ、AIと現実の工場を完全に同期させるソリューションを提示しました。エンジニアがバーチャル空間でAIと共に設計し、その結果が即座に現実の生産ライン(Physical AI)に反映される仕組みです。また、ソニーとの提携による空間コンテンツ制作システムなど、ハードウェアの設計から製造、運用までをAIで一気通貫に自動化・最適化する、産業のDX(デジタルトランスフォーメーション)の完成形を示していました。


HITACHI (日立製作所)
日立は「社会イノベーション」を軸に、AIがエネルギー、鉄道、物流といった巨大な社会インフラをどう守り、最適化するかを提案しました。注目は、インフラの劣化予測やエネルギー需給の最適化を担う「生成AIベースの設備管理システム」です。これは個別のプロダクトというよりも、都市全体の機能をAIという脳で制御し、サステナブルな社会を実現するためのプラットフォームとしての提案です。日本を代表するインフラ企業として、AIを社会善のために実装する責任感のある姿勢を見せていました。


ミネベアミツミ
CES初出展となったミネベアミツミは、対照的にロボットを動かすための「筋肉と関節(ハードウェア)」の極致を見せていました。目玉は、自社の超精密なベアリングやモーター、センサー技術を総動員した「5本指のロボットハンド」です。特に、13mm角という驚異的な小ささの超小型減速機を指の関節に組み込むことで、人間のように繊細で力強い動きを可能にしていました。AIという「脳」があっても、それを体現する精密な「体」がなければ価値は生まれません。ミネベアミツミは、Physical AI時代に不可欠な「世界最高水準の部品群」で勝負を仕掛けていました。


NEURAVERSE(ニューラバース)
NEURAVERSEは、家事の中でも特に手間のかかる「洗濯後の整理」を自動化する洗濯物整理ロボットを展示し、大きな注目を集めていました。このロボットは、AIが衣類の種類、素材、形状をリアルタイムで識別し、それに応じた最適な「畳み」と「仕分け」を自律的に行います。単なる自動化機械ではなく、AIが衣類の状態を「理解」して丁寧に扱う点が、2026年のPhysical AIらしい進化です。家事という日常の負担をAIが物理的に肩代わりすることで、人々にゆとりある時間を提供するという、生活密着型のテクノロジーを具体化。AIが画面を飛び出し、私たちの暮らしを直接的に豊かにする未来を提示していました。


CES 2026の初日、主にWest Hallを中心に視察された内容に基づき、各ブースの詳細リストを省いた「初日の総括と分析レポート」を作成しました。
2025年の「生成AIブーム」を経て、2026年のCESがどのようなフェーズに入ったのか、現地の熱量と技術トレンドを掛け合わせた分析です。
【CES 2026:初日視察レポート】
画面を飛び出したAIが「身体」を得る:Physical AI実装元年の衝撃
CES 2026の初日、West Hallを中心とした視察で浮き彫りになったのは、AIがデジタル上の「知能」から、現実世界を動かす「Physical AI(フィジカルAI)」へと完全に移行したという事実です。昨年の生成AIブームが「言葉の革命」だったとすれば、今年は「動きの革命」が起きています。
初日の視察から見えてきた3つの主要な分析視点をまとめます。
1. 「生活に溶け込むAI」:家庭用ヒューマノイドの現実解
これまで「SFの夢」だった人型ロボットが、具体的な役割を持って家庭に入り込み始めています。
- Zerothの「M1」: 子供の学習支援や高齢者の見守りに特化した小型ヒューマノイド。単なる玩具ではなく、感情を理解し、日常のルーティンをサポートする「家族の一員」としての完成度を見せていました。
- NEURA Roboticsの「Neuraverse」: 洗濯物の仕分けや整理という、人間が最も面倒に感じる家事をPhysical AIが物理的に解決。ロボットが「道具」から「自律的なパートナー」へと進化したことを象徴する展示でした。
2. 「アンビエント(環境型)知能」:意識させない先回り
AIはロボットの形だけではなく、環境そのものにも宿り始めています。
- HYUNORIの「AIRコントロール」: ユーザーが操作することなく、AIが空間の空気を最適化する。これは「AIを使う」という意識さえ不要にする、究極のユーザー体験(UX)への挑戦です。
- モビリティの進化: パイオニアやLGディスプレイ、アルプスアルパインが提示した次世代コクピットは、移動手段を「AIと共生するリビング空間」へと変貌させています。
3. 日本企業の「実装力」と「インフラの守護神」
AIという「脳」が普及する一方で、それを支える「筋肉(部品)」と「血管(エネルギー・冷却)」において日本企業が圧倒的な存在感を示しています。
- 高性能な物理基盤: 太陽誘電の1,000km回生システムやAGCのHUD用薄型ガラス、住友ゴムのセンシングコア。これらはAIが物理世界で正しく機能するための「感覚」と「体力」を提供しています。
- AI社会の持続可能性: ENEOSによるNVIDIA製GPUの液浸冷却提案などは、AIの爆発的な消費電力と熱問題を解決する、今後のAI社会において最も不可欠なピース(バックエンド・インフラ)となるでしょう。
【初日の結論:2026年の展望】
2026年は、AIが「便利なツール」から「空気のようなインフラ」へと脱皮する年になります。
- 2025年: 生成AIに「問いかける」年(チャットボット中心)
- 2026年: AIが「自律して動く」年(エージェンティック / フィジカルAI中心)
初日に目撃した企業群の展示は、それぞれがパズルのピースのように組み合わさり、AIが私たちの労働、移動、そして家庭生活のあらゆる場面で「手足」となって機能する未来図を完成させていました。
